事業紹介 --- 1
センターにおける3D関連技術の設備とその活用による企
業支援
導入機器紹介 「3次元湯流れ・凝固解析システム」
精 密 万 能 試 験 機 導 入 研 修 「 材 料 試 験 ・ 強 度 試 験 の実 際
とアプリケーション」の開催
平成 25年度 食品加工技術高度化研修会の報告
ベクトル磁気特性可視化装置の開発
計量器(はかり)の定期検査のお知らせ
ニュース --- 6
「磁気ギヤード発電機の開発」が JST 委託事業に採択さ
れました
事例紹介 --- 7 水銀ポロシメータによる細孔分布の測定
完熟梅飲料「ビブラート」の開発と商品化
「支援事例集」の改訂
センターにおける3D関連技術の設備とその活用による企業支援
2013年を振り返りますと、米 国が製造業を革新する中
核技術として 3D プリンタに 国策としての取り組みを開
始し、国内におきましても大 手家電メーカーが3Dプリン
タを金型製造に活用すること を発表、大手家電量販店で
3Dプリンタが販売開始される など、3Dプリンタブームと
も言える年となりました。
当センターにおきましても、 本年2月 に 3Dプリンタ
を導入したことにより、既存 の機器とも連携して、3 次
元データの取得から、解析や シミュレーション、3 次元
データの出力までを一貫して 処理できる開発環境を整備
することができました。
本章では当センターの 3D 関 連技術の設備を総合的に
ご案内し、企業の皆様とより 連携した取り組みが可能と
なった開発環境についてご紹 介いたします。
■3Dプリンタ(3次元データ 出力)
3 次元データから金型無しで 高強度・高精度の樹脂モ
デルを造形し、開発における 機能評価、デザイン評価及
び 、 小 ロ ッ ト ダ イ レ ク ト 生 産 の 可 能 性 を 検 討 で き ま す 。
(貸付準備中、出力素材:ABS 樹脂、最大造形サイズ:
355×254×254mm、最小積層ピッチ: 0.127 mm)
Stratasys製、FORTUS360mc-S
技
術
情
報
お
お
い
た
N o . 1 6 8
2 0 1 4 . 3
Oita Industrial Research Institute
http://www.oita-ri.jp/
大分県産業科学技術センターニュース
大分県産業科学技術センターニュース
■マイクロフォーカスX線CT装置(3次元データ入力)
金属、樹脂、電子部品、自動 車部品等の内部構造や欠
陥を非破壊で観察するととも に、CT画像を座標データ(3
次 元 デ ー タ ) に 変 換 で き ま す 。( 最 大 管 電 圧 : 225kV 、 X
線検出器:イメージインテン シファイア、最大測定サン
プル:9kg、Φ300mm×300mm、最大CT視野:Φ200mm)
(株)島津製作所製、inspeXio SMX-225CT
■非接触式3次元測定機(3次元データ入力)
物体表面の形状(3 次元点群 データ)を取得し、3 次
元CADデータとの照合や計測 、測定形状の3次元CADデ
ー タ を 出 力 す る こ と が で き ま す 。( ワ ン シ ョ ッ ト 測 定 精
度:±0.008 mm、平均測定点間ピッチ:0.04 mm)
シュタインベクラー製、COMET5-4Ma
■3次元湯流れ凝固解析シス テム(3次元データ解析)
鋳 型 内 で の 溶 湯 の 流 動 と 凝 固 を コ ン ピ ュ ー タ 上 で 再
現できます。様々な鋳造方案 を検証できるため、実際に
行う鋳造試作の回数と期間を 減らすことができます。(適
用できる鋳造プロセス: 砂型鋳造、金型鋳造、ダイカス
ト鋳造、傾斜鋳造等 、適用 できる金属材料: 鋳鉄、鋳
鋼、アルミニウム合金等)
クオリカ(株)製、JSCAST ver.11
その他に、3 次元CAD/CAMシ ステム(3 次元データの
入力)や、構造解析システム(3次元データの解析)、電
磁界解析ツール(3 次元デー タの解析)をご利用いただ
けます。
【三次元技術研究会の設備と 活動支援】
この研究会は、一般社団法人 大分県工業団体連合会内
に、会員企業の3次元データ を活用する機器の操作習得
や活用検討のために設置され ました。
下記の機器が研究会専用に整 備され、当センターが機
器の操作習得や、活動の支援 などを行っていますので紹
介します。
■ハンディ3Dスキャナ(3次 元データ入力)
コンパクトな入力装置により 、物体表面の形状データ
とテクスチャデータを取得し 、CAD データとの照合や計
測 、 形 状 デ ー タ に テ ク ス チ ャ デ ー タ を マ ッ ピ ン グ し た
3D-CG データを作成すること ができます。(研究会専用、
3D精度:0.03 mm、3D解像度:0.1 mm、デ ー タ 取 得 速 度 :
1,000,000 点/ 秒)
■3Dプリンタ(3次元データ 出力)
当センターに導入されてい る 3D プリンタと同様の造
形方式で、造形サイズや機能 を限定して、経験の少ない
利用者にも操作しやすい装置 です。(研究会専用、出力素
材:ABS樹脂、最大造形サイズ:203×203×152mm、最小
積層ピッチ: 0.254 mm)
この他に3次元CADシステム(ライノセラス)や、STL
編集ソフト(netFabb)もご 利用いただけます。
研究会活動に参加を希望され る方は、一般社団法人大
分県工業団体連合会に加入い ただくか、その加盟団体へ
の参加が必要となります。詳 しくは下記担当にお問い合
わせ下さい。
(製品開発支援担当 佐藤幸志 郎 [email protected]) シミュレーション
結果の一例
Artec製
Spyder
Stratasys製
導入機器紹介 「3
次元湯流れ・凝固解析システム」
3 次元湯流れ・凝固解析システムを更新しました。鋳
造工程における融けた金属が流れ込む(湯流れ)過程と
冷えて固まる(凝固)過程をシミュレーションするシス
テムです。本システムは、新製品の鋳造方法の検証や、
鋳造不良の原因発生の検証などに活用できます。
シミュレーション技術は、設計段階で製品の寸法、材
質、加工条件等から加工中に発生する不良を予測し、対
策を施すなど、コストダウンに役立つ重要な技術です。
本システムを有効に活用していただくために、2 月 21
日に、技術セミナー「3 次元データを用いた金属加工シ
ミュレーションと関連システムの実際」を開催しました。
セミナーではクオリカ(株)より中社芳博氏と成重智章
氏を講師としてお招きし、本システムを含む金属加工に
関わるシミュレーションシステムや設計支援システムの
活用事例等についてご紹介いただきました。講義終了後
には、本システムの効果的な使い方について活発な質疑
応答がなされました。
本システムは、皆様に広く機器開放(有料)していま
す。また、解析についての技術相談も個別にお受けしま
すので、ぜひご活用をお願いします。
3 次元湯流れ・
凝固解析システム
講義の様子
■型式
クオリカ(株)製、JSCAST Ver.11
■適用できる鋳造プロセス
砂型鋳造、金型鋳造、ダイカスト鋳造、傾斜鋳造等
■適用できる金属材料:
鋳鉄、鋳鋼、アルミニウム合金等
■解析機能
湯流れ、凝固、鋳造変形
(機械・金属担当 園田正樹 [email protected])
精密万能試験機導入研修
「材料試験・強度試験の実際とアプリケーション」の開催
精密万能試験機導入研修「材料試験・強度試験の実際
とアプリケーション」を 12 月 11 日に開催しました。県
内の鉄鋼、非鉄金属、金属製品、輸送機器、精密機器、
化学、鉱業等の分野から 12 社 15 名の方にご参加いただ
きました。
本研修では、(株)島津製作所から講師(西村 司氏/
分析計測事業部グローバルアプリケーション開発センタ
ー課長)をお招きし、静的試験を主体に動的試験・硬さ
試験の原理や特徴について、活用事例を交えながら解説
していただきました。また、今年度に公益財団法人 JKA
の補助事業で導入した精密万能試験機の取扱講習や、関
連機器の紹介および見学を行いました。
材料試験・強度試験は、素材や製品の研究開発、品質
管理、品質保証等を進める上で重要な評価方法のひとつ
です。研修に参加した皆様からは、「実例と概要の説明
が分かりやすかった」、「基本知識の講義から、実際に
試験機の説明があり、分かりやすかった」、「引張試験
について知りたかったので、ピンポイントだった」、「材
料試験について知識を増やすことができ、実際に試験を
見ることができてよかった」、「試験機を実際に操作で
きてよかった」、「業務上、金属材料を扱うことが多く、
様々な機器を知ることができ、今後の業務の参考になっ
た」等のコメントもいただき、研修の目的を概ね達成す
ることができました。
(機械・金属担当 高橋芳朗 [email protected]) 事業
紹介
事業
平成25年度
食品加工技術高度化研修会の報告
食品加工技術高度化研修会は、食品産業支援の一環と
して、地域資源の活用や安心安全な加工品製造技術の高
度化等を目的に平成 17 年度から実施している事業で、本
年度は 3 回開催しました。
第 1 回は、『これからの包装に求められるもの』という
テ-マにて平成 25 年 7 月 24 日に(株)DNP西日本大
分営業所の宮原博之氏、当センターの朝来壮一主幹研究
員を講師に開催しました。
全ての生活者に便利で、安全で、使いやすく、かつ環
境への配慮を必要とするパッケージづくりにおける包装
の機能性やユニバーサルデザインの活用方法や、当セン
ター等において開発した青果物の鮮度保持包装法につい
て講演していただきました。
受講者からは、「新しい包装技術、パッケージ等につい
て参考になりました」、「消費者目線のデザインをより意
識できた」など、有意義な講習会であったとの感想が寄
せられました。
第 2 回は、平成 25 年 11 月 14 日に(株)アタゴ九州支
店の宮本幹也氏を講師に招き、『食品製造現場における糖
度計等測定機器の活用』というテ-マで開催しました。
食品加工の現場では糖度計や塩分計などの測定機器が
品質管理のため広く利用されていますが、何気なく使用
されていることも考えられるそれら機器の測定原理や適
切な使用方法を今一度見直し、適正な使用で安定した食
品加工を行ってもらうことを目的として、講演と測定機
器の実演を行っていただきました。
受講者からは、「日頃使用している Brix 計の原理や使
用上の注意等が良く理解できた」、「広い範囲での勉強が
できて、今の手順の確認にもなった」などの感想が多く
寄せられ、測定機器の適正使用についての意識付けがで
きたのではと考えているところです。
第 3 回は、『生産性向上や品質管理に結びつく衛生管理
改善』というテ-マにて、平成 26 年 2 月 5 日に大分もや
し協業組合の板井達男氏、(有)近藤養蜂場の近藤成明氏
に 衛 生 管 理 改 善 へ の 取 組 事 例 の 発 表 を し て い た だ き 、
(株)環境セキュリティ・システム研究所の沖本安規子
氏に衛生管理改善のポイントについて講演していただき
ました。
衛生管理に関する手法(実施方法)や実施手順(マニ
ュアル)の作成、取組方法等を紹介し、その実施の重要
性を認識してもらうとともに、実践してもらうための意
識付けを目的に開催しました。
受講者からは、「衛生改善の一歩である整理整頓の重要
性を再認識した、実践したい」、「自社の意識改革になっ
た」などの感想が多く寄せられ、「衛生管理」というもの
をより具体的に実感していただけたのではないかと考え
ているところです。
研修会の終了後に受講者の皆様よりいただいたご意見
やご要望については、次年度の研修会に反映させていき
たいと思います。
第 1 回 講演の様子
第 2 回 実演の様子
第 3 回 講演の様子
(食品産業担当 堀 元司 [email protected]) 事業
ベクトル磁気特性可視化装置の開発
1. はじめに
今なお、モータや変圧器などの電気機器の特性は、電
気機器全体としてマクロ的に入力と出力の単純比較から
評価されています。しかしながら、今まで以上に電気機
器の効率を向上させるためには、まず「動作中の電気機
器のどの部分がどれくらいの性能か」まで知る必要があ
ります。そこで本研究では、電気機器の特定部位を測定
可能な極小磁気センサと電気機器の動的磁気特性測定と
いった、よりミクロ的かつ高精度な評価技術の開発に取
り組み、西日本電線(株)、(株)ブライテックと共同で
ベクトル磁気特性可視化装置(図 1)を開発しました。
図 1 ベクトル磁気特性可視化装置
2. ベクトル磁気センサの開発
電気機器の磁気特性をより高精度に評価するには、磁
界強度 H と磁束密度 B といった磁気特性を X 方向と Y 方
向のベクトル量で測定できる磁気センサが必要です。
この磁気センサを小型化するために、磁界強度 H を測
定する H コイル巻枠の小型化に取り組み、加工精度を維
持しながらセラミックスの切削加工ができる工法を開発
しました。H コイルの小型化は物理的な限界と信号出力
低下によるノイズとの戦いでしたが、線径 10 ミクロンの
銅線を巻枠に 500 ターンずつ交互に直行する形で 5 層巻
き上げられるように巻線機を改良して、小型化と大きな
信 号 出 力を 両 立さ せ まし た 。そ の 結 果、 本 セン サ は 25
倍の大きさのセンサと同等の信号出力を得ることに成功
しました。この H コイル巻枠の加工についての詳細は、
当センターの情報誌「センターニュース 153 号(P.3-4)」
をご参照ください。
そして、磁束密度 B を測定する B 探針には超鋼製スプ
リングピンを採用し、電気機器に使用される電磁鋼板の
表面被膜を貫通させて、四探針法で磁束密度 B を測定す
る測定法を開発しました。これらの技術を組み合わせ、
2.5×2.5mm サイズの世界最小ベクトル磁気センサ(図 2)
を完成させました。
図 2 ベクトル磁気センサ
3. 動的磁気特性測定技術の開発
電気機器の動作中の磁気特性を測定するために、電気
機器回転子を回転させながら、ベクトル磁気センサでそ
の固定子全面の局所的な磁気特性を自動測定する方法を
開発しました。そして、測定結果の固定子全面の鉄損分
布(図 3)をカラースケール表示で可視化することで、
直感的に電気機器部位の損失度合がわかるようにしてい
ます。
図 3 結果表示(電気機器固定子)
4. 商品化への取り組み
固定子全面の鉄損分布結果を電気機器設計にフィード
バックできるように、電気機器設計解析ソフトウェアと
連携し、そのメッシュ節点に従った測定点を選択できる
ようにしました。また測定精度を維持するために B 探針
校正装置を開発するなど、商品としての操作性を含めた
周辺技術を充実させました。
このような技術を搭載したベクトル磁気特性可視化装
置は、(株)ブライテックから販売されています。
(株)ブライテック http://www. d-b.ne.jp/btec/
(電磁力担当 下地広泰 [email protected]) 事業
紹介
1円硬貨
計量器(はかり)の定期検査のお知らせ
取引や証明に使用される計量器は検定に合格したもの
でなければなりません。しかし、製造・修理時に検定に
合格した計量器でも、使用している間に誤差が生じる場
合があります。そこで、計量法では適正な計量の確保を
図るため、計量器の検査を定期的に行うよう義務づけて
います。〔計量法第 19 条〕
●計量器(はかり)の定期検査
店舗、工場、病院、学校等で取引や証明に使用されて
いる計量器(はかり)を計量法に基づき、2年に1度、
検査を行っています。
(1)集合検査: 検査日時、検査場所等を県報の公告に
より、受検対象者に周知して一定の場所(公民館等)に
集めて行う検査です。
(2)所在場所検査: 運搬が著しく困難で、知事の指定
した集合検査場所に持ち込むことができない等の場合、
検査員が計量器の所在場所へ出向いて行う検査です。検
査手数料以外の費用(旅費)が必要になります。
(3)計量士による代検査: 計量士が計量器の所在場所
に出向いて行う検査です。受検者は「計量士による代検
査を行った旨の届出書」を提出すれば、知事の行う定期
検査が免除されます。費用は、計量士にご確認ください。
●取引・証明行為
(1)「 取 引 」と は、 有 償・ 無償 を 問わ ず 、物 又 は役 務 の
給付を目的とする業務上の行為をいいます。
(2)「 証 明 」と は、 公 に又 は業 務 上他 人 に一 定 の事 実 が
真実である旨を表明することをいいます。
●平成 26 年度の定期検査(集合検査)日程
実施の区域
実施の期日
(実施期間中の土・日・祝日を除く)
豊後大野市 H26年4月17日(木)~4月23日(水)
日 田 市 H26年5月14日(水)~6月3日(火)
臼 杵 市 H26年6月19日(木)~6月25日(水)
玖 珠 町 H26年7月2日(水) ~7月4日(金)
九 重 町 H26年7月7日(月) ~7月9日(水)
佐 伯 市 H26年9月1日(月) ~9月19日(金)
津 久 見 市 H26年10月6日(月)~10月9日(木)
竹 田 市 H26年10月15日(水) ~10月22日(水)
○大分市の区域については、特定市である大分市長が
定期検査を行いますので、大分市役所にお尋ねくだ
さい(商工労政課計量係 Tel.097-537-5625)。
○各検査会場は、検査開始の約 1 ヵ月前に決定します。
○初めて受検を希望する方は電話でお尋ねください。
(計量検定担当 Tel.097-596-7102)
「磁気ギヤード発電機の開発」が JST 委託事業に採択されました
( 株 ) 二 豊 鉄 工 所 、 大 分 大 学 と セ ン タ ー が 共 同 で 申 請
し た 研 究 課 題 「 風 速 や 水 量 に よ る 負 荷 率 変 化 に 影 響 さ れ
ず に 高 効 率 運 転 を 可 能 に す る ア キ シ ャ ル 型 永 久 磁 石 ギ ヤ
ー ド 発 電 機 の 開 発 」 が 、( 独 ) 科 学 技 術 振 興 機 構 ( JST)
の 研 究 成 果 最 適 展 開 支 援 プ ロ グ ラ ム( A-STEP)【 FS】シ ー
ズ 顕 在 化 タ イ プ に 採 択 さ れ ま し た 。
図 1(1) の よ う に 従 来 の 風 力 発 電 や 小 水 力 発 電 な ど の
50rpm 程 度 の 低 速 回 転 で の 発 電 に は 、 チ ェ ー ン や 増 速 機
を 利 用 し て 商 用 モ ー タ の1250rpmま で 増 速 す る 必 要 が あ
り ま し た 。こ れ に 対 し て 、提 案 し た 発 電 機 は 図1(2)の よ
う に 非 接 触 動 力 伝 達 の 磁 気 ギ ヤ と 介 し て 、 羽 根 と 直 接 接
続 す る ダ イ レ ク ト 発 電 方 式 な の で 、 高 効 率 化 と ギ ヤ の メ
ン テ ナ ン ス フ リ ー 化 が 期 待 で き ま す 。
具 体 的 に は 図2の よ う に 、 50rpm程 度 の 羽 根 の 回 転 数
を 磁 気 歯 車 で 5 倍 の 250rpm に 増 速 す る 磁 気 ギ ヤ と 、
250rpm で も 発 電 可 能 な ア キ シ ャ ル ギ ャ ッ プ 型 発 電 機 を
一 体 化 し た 磁 気 ギ ヤ ー ド 発 電 機 の 開 発 を 目 指 し ま す 。
磁 気 設 計 解 析 か ら 、 こ の 発 電 機 は 同 一 体 格 の 従 来 発 電
機 と 比 べ て 、 永 久 磁 石 の 磁 束 収 束 配 列 効 果 で の1.5倍 、
磁 気 歯 車 部 で の1.5倍 を 掛 け 合 わ せ た 約2倍 の 発 電 出 力
を 想 定 し て い ま す 。
( 電 磁 力 担 当 池 田 哲 [email protected]) 事業
紹介
ニ ュ ー ス
図2 磁気ギヤード発電機概念図 図1 小水力発電システムでの新発電方式の特長
(1)従来式 (2)新方式
増
速
機
発
電
機
水面
チェーン
水車 増速機、チェーン必要
→ 効率低下、故障多発
ダイレクト発電、チェーン不要
→ 効率向上、故障低減
水面
ギ
ヤ
磁
気
発
電
機
水銀ポロシメータによる細孔分布の測定
1. 細 孔 分 布 と 材 料 の 機 能 性
製 品 や 材 料 の 研 究 開 発 や 品 質 管 理 な ど の 手 段 と し て 、
製 品 や 材 料 の 成 分 元 素 分 析 や 不 純 物 量 を 測 定 す る 化 学 的
方 法 や 硬 さ ・ 耐 久 性 な ど の 物 理 的 方 法 、 電 気 抵 抗 な ど の
電 気 的 方 法 、 表 面 薄 膜 分 析 な ど の 表 面 科 学 的 方 法 な ど 、
様 々 な ア プ ロ ー チ が あ り ま す 。
本 稿 で は 、 材 料 の 細 孔 分 布 を 測 定 す る 方 法 を ご 紹 介 し
ま す 。 珪 藻 土 や 活 性 炭 の よ う に 孔 が 多 い 物 質 を 多 孔 体 と
い い 、 細 孔 分 布 は 材 料 に お け る 孔 の 大 き さ の 割 合 で す 。
多 孔 体 の 細 孔 分 布 を 測 定 す る こ と で 、 珪 藻 土 を ろ 過 材 と
し て 使 う 場 合 の 吸 着 ろ 化 能 力 や 、 リ チ ウ ム イ オ ン2次 電
池 の セ パ レ ー タ と 呼 ば れ る 多 孔 膜 の 孔 径 、 錠 剤 の 空 隙 率
や ク ラ ッ ク な ど を 評 価 で き ま す 。
当 セ ン タ ー に は 細 孔 分 布 を 測 定 す る 装 置 と し て 、 窒 素
吸 着 比 表 面 積 細 孔 分 布 装 置 お よ び 水 銀 ポ ロ シ メ ー タ を 設
置 し て い ま す 。 こ れ ら は 測 定 可 能 な 細 孔 径 の 範 囲 が 異 な
り 、 測 定 目 的 に 応 じ て 使 い 分 け ま す 。 各 装 置 の 測 定 範 囲
の 目 安 は 、 窒 素 吸 着 比 表 面 積 細 孔 分 布 装 置 は 0.7nm ~
400nm、 水 銀 ポ ロ シ メ ー タ は10nm~ 950μ mで す 。 小 さ な
孔 は 窒 素 吸 着 比 表 面 積 細 孔 分 布 装 置 を 、 大 き な 孔 は 水 銀
ポ ロ シ メ ー タ を 利 用 し て 測 定 し ま す 。 以 降 で は 、 水 銀 ポ
ロ シ メ ー タ に つ い て ご 紹 介 し ま す 。
2. 水 銀 ポ ロ シ メ ー タ の 原 理
ポ ロ シ テ ィ と は 多 孔 性 ・ 多 孔 率 の こ と で 、 そ れ を 測 定
す る 装 置 な の で ポ ロ シ メ ー タ と 呼 び ま す 。
水 銀 は 表 面 張 力 が 大 き く 、 ほ と ん ど の 材 料 の 表 面 に 垂
ら し て も 、 水 銀 で 濡 れ る こ と が な く 、 そ の 材 料 の 表 面 で
球 状 に な り ま す 。 し か し 、 圧 力 を か け る と 多 孔 性 の 材 料
で は 、 水 銀 が 孔 に 押 し 込 ま れ ま す ( 図 1) 。 こ の と き 、
加 え る 圧 力 と 孔 の 大 き さ に は 反 比 例 の 関 係 が あ り 、 こ の
性 質 を 利 用 し て 細 孔 分 布 と 細 孔 容 量 が 分 か り ま す 。
図1 水 銀 ポ ロ シ メ ー タ の 細 孔 分 布 測 定 の 原 理
3. 水 銀 ポ ロ シ メ ー タ の 測 定 事 例 紹 介
( 株 ) ゼ ロ テ ク ノ ( 大 分 市 ) は 、 高 性 能 フ ラ イ ア ッ シ
ュ ( CfFA) と 呼 ぶ 混 和 材 ( コ ン ク リ ー ト 添 加 剤 ) を 研 究
開 発・製 造 販 売 し て お り 、20 01年 に 大 分 大 学 発 ベ ン チ ャ
ー 企 業 と し て 起 業 し ま し た 。 こ こ で は 、 同 社 が 日 本 建 築
学 会 九 州 支 部 研 究 発 表 会( H26.3.2)に お い て 発 表 さ れ た
内 容 の 一 部 を ご 紹 介 し ま す 。
モ ル タ ル へ のCfFA添 加 の 効 果 に つ い て 、水 銀 ポ ロ シ メ
ー タ で 細 孔 分 布 を 測 定 し た 結 果 を 図2に 示 し ま す
(1 )
。 材
齢3日 か ら91日 ま で の モ ル タ ル の 細 孔 分 布 は 、養 生 期 間
が 長 く な る ほ ど 10~ 1000nm の 微 細 な 細 孔 が 減 少 し て き
ま す 。 こ れ は 水 和 反 応 に よ っ て 、 セ メ ン ト 水 和 物 の 結 晶
が 成 長 し 、 疎 な 細 孔 が 減 少 し 、 組 織 が 緻 密 化 し て い る た
め で す 。さ ら に 材 齢91日 に お い て100nm以 下 の 細 孔 の 割
合 が 増 加 し て い る こ と か ら 、CfFAが 関 与 す る ポ ゾ ラ ン と
呼 ぶ 結 晶 が 成 長 し 、 よ り 組 織 が 緻 密 化 し て い る こ と が 分
か り ま し た 。 こ の よ う に 、 細 孔 分 布 を 測 定 す る こ と に よ
り 、モ ル タ ル の 硬 化 に 対 す るCfFA添 加 の 効 果 を 解 明 で き
ま し た 。
0 0 . 0 5 0 .1 0 . 1 5
1 0 1 00 1 0
3
1 0
4
1 0
5
材 齢 3 日
7 日
1 4 日
2 8 日 9 1 日
累
積
細
孔
容
積
[ c m 3 / g ]
細 孔 半 径 ( n m ) W / C5 5 F A 20
10 100 1000 10
3
10 4
細孔半径(nm) 0
0.05 0.1 0.15
累
積
細
孔
容
積
[ c m 3 / g ]
材齢 3 日
7 日
14 日
28 日
91 日
図2 CfFA添 加 モ ル タ ル の 細 孔 分 布
4. 最 後 に
水 銀 ポ ロ シ メ ー タ の 操 作 方 法 や 試 料 の 大 き さ 等 に つ い
て は 、 ぜ ひ お 問 い 合 わ せ く だ さ い 。 ま た 、 仕 様 等 は 以 下
のURLを ご 参 照 く だ さ い 。 ご 利 用 お 待 ち し て い ま す 。
http://www.oita-ri.jp/supp ort/kagaku_sokutei.html
< 謝 辞 >
資 料 を ご 提 供 い た だ き ま し た ( 株 ) ゼ ロ テ ク ノ 様 に 感
謝 申 し 上 げ ま す 。
< 参 考 文 献 >
(1) 伊 藤 七 恵 ほ か 、 日 本 建 築 学 会 研 究 報 告 、 九 州 支 部 、
第53号 ・ 1、 pp.89-92、 2014.
( 工 業 化 学 担 当 谷 口 秀 樹 ta [email protected]) ① 弱 い 圧 力 で 水 銀 が 押 し込 ま れる
⇒ 細 孔 径 : 大
③ 強 い 圧 力 で な い と 水 銀 が 押 し 込 ま れ な い 、 か つ
多 くの 水 銀 が 押 し込 ま れる
⇒ 細 孔 径 : 小 、 細 孔 容 量 : 大
② 強 い 圧 力 で な い と 水 銀 が 押 し
込 ま れ な い 、 か つ 少 し の 水 銀 が
押 し込 ま れる
⇒ 細 孔 径 : 小 、 細 孔 容 量 : 小
完熟梅飲料「ビブラート」の開発と商品化
■はじめに
(株)おおやま夢工房は、これまでに様々なバリエー
ションの高品質な梅酒を開発、商品化して高い評価を得
ています。
近年ノンアルコール飲料の要望が多いことから梅を原
料にしたジュースの開発に取り組むことになり、高品質
で既存商品と差別化できる高級志向の梅ジュース開発の
要望が当センターに寄せられました
そこで、当センターの「企業ニーズ対応型研究事業」
により、梅加工利用に関する技術シーズを活かした梅ジ
ュースの共同開発に着手しました。
■技術開発の経過
新規梅ジュースの開発に当たって目標とするジュース
のタイプを以下の2つに決めました。
(1) 梅の種子を利用した香り豊かな梅ジュース
あまり知られていませんが、梅酒の芳醇な香りは梅果
実の種子に由来しています。そこで、種子から香りの主
成分であるベンズアルデヒドを抽出して従来の製品より
香りが強いジュースの開発に取り組みました。
(2) 完熟梅を利用した梅ジュース
通常、梅は未熟な青梅が利用されているので気づきに
くいのですが、梅果実は完熟すると驚くほど強い芳香を
放ちます。リンゴ、桃、マンゴーなどを合わせたような
華やかで甘い香りです。そこで、完熟果実の品質が最も
優れている品種「南高」を使い、従来の梅ジュースのよ
うな糖液抽出でなく、果実をピューレーにしてジュース
に仕上げるという今までにない製法によって、とろみの
ある梅ジュースを開発しました。
■商品化に向けての取り組み
この2つのタイプのジュースの試作を企業の開発担当
者と何度も繰り返しました。試作品は(株)おおやま夢
工房が農商工連携事業の中で組織した梅新製品開発戦略
委員会において、各分野の専門家から評価や指摘を受け
ながら改善を重ねました。
最終的には、完熟梅を利用したジュースが従来の梅ジ
ュースにはない華やかな風味で差別化が可能であること
から、商品化されることになりました。
発売以来、その美味しさが広く知られるようになり、
現在では全日空の航空機内での販売に採用されるなど好
評を得ています。
完熟梅飲料「ビブラート」
(食品産業担当 廣瀬正純 [email protected])
「支援事例集」の改訂
当センターでは、より多くの方に業務内容を知ってい
ただき、県内企業の皆さまに活用していただくために、
研究成果や共同開発、技術相談、依頼試験、機器貸付等
における技術支援の事例をご紹介する「支援事例集」を
平成 25 年 3 月に発行しました。
この支援事例集では、県内企業との共同研究や共同開
発等において当センターがご支援した内容(例:設計や
開発、試作、試験分析など)や、その成果(例:商品化、
客観的な性能評価、課題の解決、品質管理など)、機器の
紹介(例:仕様や利用例など)を掲載しています。また、
農業における IT 活用や分析機器の利用、流通技術の構築
など、ものづくり分野に関する支援以外にも、異業種の
連携につながる事例等を掲載しています。
このたび、掲載内容の追加や見直しを行い、計 62 件の
事例を掲載した改訂版を 3 月末に発行予定です。主な変
更点は、今年度に新設された電磁力担当に関する内容の
追加や、研究内容の更新、新規導入した機器のご紹介(サ
ーモグラフィ、3D プリンタなど)です。上記の「完熟梅
飲料」のように、皆さまの身近にも当センターが開発を
お手伝いした商品があります。支援事例集はホームペー
ジや窓口で入手いただけますので、今後の皆さまの新製
品や新技術の開発、品質向上などのご参考にしていただ
き、ぜひ当センターをご活用ください。
(企画連携担当 後藤和弘 [email protected])
技術情報おおいた 〔大分県産業科学技術センター ニュース〕 No.168 発行 2014年3月14日 〒870-1117 大分県大分市高江西1丁目4361-10
大分県産業科学技術センター 企画連携担当 Tel. 097-596-7101 E-mail:[email protected]
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